【Column】二宮和也の「ジャニーズ」連呼──嵐ラストライブの挨拶から
6年前、2020年いっぱいで嵐が活動休止に入るまで、その経緯を追ったドキュメンタリー『ARASHI's Diary -Voyage-』がNetflixが毎週配信されていました。私はそれを踏まえてハフポストに記事を書きました。やっと始めた海外展開がコロナに直撃された経緯などをまとめたものです。
この作品は、本来であれば活動休止に向けたきれいなプロモーション動画で終わるはずでした。ところが途中からコロナ禍に突入して、その思惑は破綻します。メンバー以外をほとんど映さないジャニーズらしい創りのなかで、東京ドームの無観客コンサートを開くかどうかを議論する場面では、スタッフの声がはっきりと入るなど現場の混乱がにじみ出ていました。
予定調和にならないあのほころびには、けっこう同情もしました。コロナウイルスは彼らの責任でもなんでもないからです。その後半部分は、ジャニーズや嵐の記録としてだけでなく、あの時期のエンタテインメント業界が直面した混乱の記録としても、たいへん貴重です。その点で、ファンではないひとも観る価値があります。
二宮和也の「ジャニーズ」連呼
さて、ここからが本題です。
今回の復活と最後のツアーは、コロナ禍が明け、ファンにきちんと挨拶をして活動を終えたいという、彼らの誠実な姿勢の表れだと思います。芸能活動を停止していた大野智さんも、このためだけに戻ってきましたから。
ただ、活動休止した2021年から2026年の間に、状況は大きく変化しました。ジャニーズ事務所はなくなり、タレントの受け皿としてSTARTO ENTERTAINMENTが生まれました。「嵐」の商標も、SMILE-UP.(ジャニーズ事務所)からSTARTOへ譲渡されたことが確認できます(J-PlatPat)。
今回のコンサートでの最後の挨拶は、ネットニュースで全文が公開されています。そのなかで興味深かったのが、「ジャニーズ」という単語を連呼した二宮さんの挨拶でした。以下のように話しています。
そこから、3年近くジャニーズJr.というところにいてジャニーズの先輩たちと、しこたま練習をして先輩たちのバックにつき背中を見てジャニーズのエンターテインメントというものを学びました。
本当に先輩たちは魅力的で、それを応援してくれてるファンの人たちも魅力的で、なんて素晴らしい世界なんだと思い、そこにいたからこそ、新たな夢ができて。1999年の正月、僕はやめると伝えていたんですがその年の11月にデビューすることになります。
まあ、これは1ヶ月ぐらいの話だろうと思いながら活動していたんですが気づいたらカウントダウンを見ていてまだ嵐だな、なんて。モヤモヤしていたんです。
(略)
この約30年間のジャニーズ人生を終えようと思います。終われてなかったなと。勝手に終わって、勝手になくなっていったなという気持ちが強かったので。勝手ではあるんですけども、今日僕は、ジャニーズ人生を終えます。
このなかでとりわけ印象に残るのは、「終われていなかった」という言葉です。「勝手に終わって、勝手になくなっていった」という気持ちが強かったと語ったうえで、「今日僕は、ジャニーズ人生を終えます」と締めくくりました。過去への肯定がありつつも、事務所の「終わり方」そのものには釈然としない思いを抱えていたこと、そして今回、自分の手でようやくけじめをつけたこと──そうした心情が読み取れます。
この挨拶は、少なからず世をザワザワさせましたが、私はそんなに意外ではありませんでした。むしろ、これまでの二宮さんの言動を振り返ると、ある程度の筋が通っているからです。
