【Column】J-POPは演歌になったのか──第二次ベビーブーム世代と、止まった循環

フジロック'26のオープニングアクトに立ったのは、還暦前後の4人でした。客席も40代から60代ばかり。歳を取ることとポピュラー文化について、52歳の自分の立ち位置も含めて考えます。
松谷創一郎 2026.07.29
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還暦前後のロック

 先週末、Amazonプライムの中継でフジロック'26のオープニングアクトを観ていました。ROUTE 17 Rock'n'Roll ORCHESTRAという企画で、ヴォーカルに立ったのは4人。59歳のウルフルズのトータス松本さん、63歳のザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトさん、61歳の元BLANKEY JET CITYのベンジーこと浅井健一さん、そして67歳のルースターズの大江慎也さん。

 おじさんばっかだな、還暦前後だな、と思って観ていました。私はブランキーをずっと聴いてきたので、ベンジーも歳をとったなと思いました。客席も40代から60代ばかり。これだけで判断するのは良くないですが、中高年向けのイベントになったんだな、と。

 フジロックが始まったのは1997年、私も20代前半でした。それから30年、みんな歳を取りました。オタク中年がお盆にコミケに行くように、ロック中年は夏に苗場へ行く。もはや年中行事で、出演者も観客も一緒にスライドして中高年になっています。今年は藤井風とXGで若い客を集める思惑も感じましたが、功を奏したかはわかりません。

 もちろん歳をとるのはしょうがない。若い頃の文化を引きずるのも、まぁありうる話。ただこの中高年層は、年間200万人以上が生まれた1971〜1974年の第二次ベビーブーム世代を中心としています。私も1974年生まれの52歳。

 私たちは、若い頃に演歌が嫌いでした。演歌でも歌謡曲でも洋楽でもないものとして、バンドサウンドを中心に立ち上がったカテゴリーが「J-POP」。FMラジオ局・J-WAVEが昭和末期の1988年末に作った言葉です。『ミュージック・ステーション』が演歌歌手を出さなくなったのも同じ頃。

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