【ジャニーズと日本社会:4】1988年、『光GENJIへ』を黙殺した「忖度・無知・蔑視」
1988年、光GENJIの絶頂期に出版された告発本『光GENJIへ』は35万部の大ベストセラーになった。にもかかわらず大手メディアは黙殺。なぜ社会的議論として浮上しなかったのか──。
松谷創一郎
2026.05.18
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黙殺された理由
ジャニー喜多川氏の性加害を記した北公次さんの『光GENJIへ』は、メディアからは黙殺されました。35万部という大ベストセラーとなり、続編もシリーズ化されていったにもかかわらず、新聞やテレビなどの大手メディアはまともに取り上げることはなかったのです。
その要因は、いくつかに分けて考える必要があります。
ひとつは、言うまでもなくジャニーズ事務所に対するメディア側の忖度です。この本は当時大人気だった光GENJIを書名にしており、本書が出版された翌月の1988年12月に光GENJIは日本レコード大賞を受賞する絶頂期でもありました。ジャニーズ事務所が強い権力を持つなかで、敵にしたくないと思うメディアは少なくなかったでしょう。
とりわけテレビ局にとって当時すでにジャニーズタレントは欠かせない存在となっており、その存在は番組制作上の必須でもありました。ジャニーズ事務所の意向に逆らうことで起こり得る不利益を、各メディアは敏感に察知していたはずです。