【Column】 南丹市男児事件と情報番組の現在地──報道はなぜ過熱したか

京都府南丹市の小学生男児殺害事件は、父親逮捕までのあいだ、報道がきわめて加熱しました。視聴者の多くが犯人を推定しながら追い続けたあの報道は、なぜ生じたのか。情報番組の現在地から考えます。
松谷創一郎 2026.05.13
サポートメンバー限定

早くから共有されていた疑惑

 いまさら感のある話ですが、京都府南丹市で起きた小学生男児の殺害事件について書きとめておきます。厳密にはこの事件の報道についてです。

 3月23日に姿を消した小学5年生の男児は、4月13日に自宅近くの山林で遺体となって発見されました。警察はその3日後の16日に養父(37歳)を死体遺棄容疑で逮捕、5月6日には殺人容疑で再逮捕しています。父親は容疑を認める供述をしているとのことです。

 報道はかなり加熱しましたが、気になっていたのは、かなり早い段階から多くの人が「犯人は父親(養父)ではないか」と推定していたことです。監視カメラに登校しているはずの男児が写っていなかったり、汚れていない通学かばんが見つかったり、視聴者の多くが養父を疑いながら経過を追っていたわけです。半ば共有されたその推定が、関心を持続させた一因だったと思います。

この記事はサポートメンバー限定です

続きは、1859文字あります。

下記からメールアドレスを入力し、サポートメンバー登録することで読むことができます

登録する

すでに登録された方はこちら

読者限定
【Column】Mrs. GREEN APPLE「シンデレラ」の論点─...
サポートメンバー限定
【ジャニーズと日本社会:26】なぜ顔を隠したのか──裁判と性加害疑惑か...
読者限定
【ポピュラー文化の余白:2026-10-23】増え続ける映画のショット...
読者限定
ゲームは「ゲーム」でなくてもよかった:2──プレステとサターンを買った...
サポートメンバー限定
【ジャニーズと日本社会:25】「写してもらいたくない」──1965年、...
読者限定
【ポピュラー文化の余白:2026-10-16】ムカサリ絵馬と『山寺グラ...
読者限定
【Column】それは本当に伝統なのか──だんじりと土俵と「現状維持」...
サポートメンバー限定
【ジャニーズと日本社会:24】「育ての親ジャニー喜多川さん」──196...