【ポピュラー文化の余白:26-05-01】インドネシア・no naの新風、HANAのロック旋回、Netflix『キリゴ』

no naに東南アジアの新風を聴き、HANA「Bad Girl」からロックへの旋回を確認し、『キリゴ』に韓国ドラマの底力を見る──週に一度、ポピュラー文化の余白を覗く短評集です。
松谷創一郎 2026.05.01
読者限定

 ゴールデンウィークですね! 私はとくにどこにも行きません!

◇ no na──インドネシア発のガールズグループ

 最近、no na(ノナ)というインドネシアのガールズグループの楽曲「work」のMVが目に飛び込んできました。アメリカの88risingが手がける4人組で、ガムランなどインドネシアの伝統音楽の音色をヒップホップ的なビートに織り込んだ、なかなか面白い一曲です。「work」は公開2か月でSpotify・YouTubeともに950万回再生を超え、先日にはCNNが「K-POPはもう古い?」と題する記事で取り上げたばかりです。

 私が連想したのは、フラメンコをヒップホップやEDMと掛け合わせて世界的にヒットしているスペインの女性歌手・ロザリア(Rosalía)です。そういう新鮮さがありました。

 ガールズグループという形態自体は、欧米でも90年代のSpice Girlsに代表されるように珍しいものではありません。ただアジアにおいては、日本のグループアイドル文化がK-POPで洋楽と結びついて発展し、そしていまそのK-POP型のフォーマットが世界各地へ拡散しているところです。HYBEがアメリカで仕掛けるKATSEYE、これから始動するインドのプロジェクト等々。no naもそうした連鎖のなかで、東南アジアから出てきた一例と捉えています。

 グループ単位の表現がメインストリーム化したのは、ダンスを軸にした視覚表現が音楽の主流になったからで、これはYouTubeの影響です。踊る集団のほうが画面映えするからです。K-POPがグループアイドルを軸とするのも必然があるわけですね。

 88risingはアメリカでアジア系のアーティストを中心とするレーベルで、プロモーション力が徐々に高まっている印象です。また、曲が一度バズれば一気に世界へ届くのも現代です。no naにもその可能性は十分あります。これからフィリピンやベトナム、タイなどからも同様の事例が次々と出てくるのか注目したいところです。

◇ HANA「Bad Girl」──ロックサウンドの戻ってきた

 ちゃんみなプロデュースの7人組ガールズグループ・HANAが3月27日にリリースした新曲「Bad Girl」が、いい曲なんですよね。Spotifyで何度も繰り返し聴いています。エレキギターが前面に出た骨太なロックサウンドで、ここがポイントです。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、2450文字あります。

すでに登録された方はこちら

読者限定
【Column】J-POPは演歌になったのか──第二次ベビーブーム世代...
サポートメンバー限定
【ジャニーズと日本社会:14】1月18日、ふたつの証言──鈴木おさむと...
読者限定
【ポピュラー文化の余白:2026-07-24】A24とYouTube発...
読者限定
【Column】「事実」では届かない──「真偽」から「信疑」へと動いた...
サポートメンバー限定
【増補】〈オタク〉問題の四半世紀──〈オタク〉はどのように〈問題視〉さ...
サポートメンバー限定
【ジャニーズと日本社会:13】2016年1月18日『SMAP×SMAP...
読者限定
【ポピュラー文化の余白:2026-07-17】のん(能年玲奈)の地上波...
読者限定
【Column】「イデオロギー代入装置」としての天皇制──皇室典範改正...