【ジャニーズと日本社会:10】斜陽の映画でヒットした「たのきん」のアイドル映画
40年続いた映画の「斜陽」
これまで9回ほど、私自身の記憶もたどりながら、1980年代を中心にジャニーズ事務所と日本社会の関係を見てきました。網羅的とは言えませんが、ここでこれまで触れてこなかった映画とジャニーズの関係について書いておきたいと思います。
ジャニーズ事務所にとっての映画は、今回中心的に扱う80年代前半を除けばそれほど重要度が高かったとは言えません。それでも書いておきたいのは、ジャニーズがたのきんトリオの人気で一気に勢力を伸ばしていく80年代、テレビやCD、ビデオデッキといったメディアが次々と進展していったなかで、映画との関係も確実にあったからです。そして、斜陽期の日本映画産業のなかで十分な結果を出していました。
日本の映画産業は1960年代以降はずっと斜陽でした。その傾向は90年代後半まで続きます。およそ40年にわたって縮小を続け、回復に転じたのは2000年代に入ってから。テレビよりも映像の解像度が高く、しかし制作に予算がかかり、映画館で観客から直接料金を取る独特のメディアである映画と、ジャニーズはどう付き合ってきたのか。斜陽メディアと向き合っていた姿を、ここでは見ていきます。
初代ジャニーズと、ナベプロ傘下の時代
まず見逃せないのが、1966年に公開された『青春大統領』(日活)です。石原裕次郎さんと浅丘ルリ子さんが主演したこの作品に、初代ジャニーズがその名前のまま出演しています。浅丘さんが演じるのはジャニーズのマネージャー役で、石原さんとのロマンスが描かれるフィクションです。いまはAmazonプライム・ビデオで配信されているので、誰でも観ることができます。
大きな発見がある作品ではありませんが、初代ジャニーズのカラーでの映像や、当時の芸能界の雰囲気が見えてなかなか興味深い作品です。
