【ジャニーズと日本社会:11】SMAP解散騒動の引き金──2015年の『週刊文春』報道
これまで10回にわたって、私自身の記憶もたどりながら1980年代のジャニーズ事務所を見てきました。ここから先は時代を大きく進めます。今回からは、2016年のSMAP解散騒動を扱います。
なぜ2016年なのか
ジャニーズ事務所が1980年代の成長期を経て、80年代後半から低迷期に入っていったことは、これまで書いてきた通りです。その低迷期を脱し、90年代半ばに同事務所を時代の中心へと返り咲かせたのがSMAPでした。田原俊彦さんが退所し、光GENJI、男闘呼組、忍者が解散していくなかで、ジャニーズの基盤を築き直したのがSMAPなのは間違いありません。
しかし、そのSMAPが2016年に解散します。しかも40代を迎えたアイドルが、自分たちの進退すら自由に決められないかたちで。この年に起きたSMAP解散騒動は、ジャニーズ事務所という組織の異常性が世間に露呈した出来事でした。ちょうど10年前のことでした。
そしてここから、2019年の公正取引委員会による注意、2023年に一気に噴き出す性加害問題とジャニーズ事務所の解体、さらには元SMAPの中居正広さんをめぐるフジテレビの問題や、TOKIO・国分太一さんの問題まで続きます。ジャニーズの事務所だけでなく、所属タレントや元タレントをめぐる一連の出来事へと連なっていくのです。
そのように激動してきた一連の日本芸能界の起点を私はこの2016年に見ています。だからこそ、SMAP解散騒動を細部まで丁寧に振り返っておきたいのです。