【Column】過渡期の中間地点から──「ビフォー」と「アフター」のあいだに立って見えること
今年3月のWBCは、Netflixが日本国内で独占配信し、地上波テレビでは中継されませんでした。NHK放送文化研究所の視聴者調査が映し出したのは、同じ大会を堪能した若年層と、中継から取り残された高齢層という、対照的なふたつの世界です。地上波中心の「ビフォー」と、配信中心の「アフター」。そのちょうど中間地点に立ついま、私たちには両方の景色が見えてしまいます。
松谷創一郎
2026.06.17
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先々月の朝日新聞の論壇時評で、NHK放送文化研究所の研究員・斉藤孝信さんによる連載「スポーツの公共性とメディアに関する考察」を紹介しました。あの時点ではまだ連載は4回まででしたが、最終的に9回まで進みました。後半はますます踏み込んだ内容になっています。とくに第5〜6回で報告されたWBC独占配信に関する視聴者調査の結果は、現在のメディア環境を考えるうえで非常に示唆的でした。
周知のとおり、3月に開催されたWBCはNetflixが日本国内で独占配信し、地上波テレビで中継されませんでした。NHK文研は大会直後の3月下旬、スポーツ視聴者2313人を対象にWEB調査を実施しています。
その調査結果のなかで注目したのは、やはり世代別の数字でした。WBCをNetflixで視聴したのは、男性10代で41%、男性20代で44%、女性20代で40%。一方、女性60歳以上はわずか18%にとどまっています。
さらに「テレビ中継がないせいで、見たかったのに見られなかった」と答えた割合は、男性60歳以上で38%、女性60歳以上で30%にのぼりました。Netflixで視聴しなかった層に絞ると、28%が「見たかったのに見られなかった」と回答しています。

